身体を売ったらサヨウナラ

AVと聞くとすぐさま、転落した終わりとか法に反してるとかヤバイ人と繋がってるとか…薄暗いイメージを思い浮かべるひとは多いだろう。

 

私もAVは「薄暗い」と思っているがそれはまた別の意味でだ。全く遠いところにある「怖い何か」とは思わず、むしろ手の届くところにある「牧歌的であたたかな何か」だと思う。

ただ、その「あたたかさ」は自分だけのものじゃない。だからそのあたたかさが大事になればなるほど、かえって心が変になってしまうこともある。

 

この映画では、その捉えにくい温く心地よい闇を的確に捉えてると思った。先に述べたあたたかさと薄暗さは、AVのSEXだけがもたらすものじゃなく、人との関わり合いの中で誰しもが経験しうるものだ、ということをきちんと表していると思う。

ただ、彼女以外の登場人物の行動はあまりにもフワフワとしていて真実味というかリアリティはなくともそこに存在している感じが薄かったのが残念だった。