20センチュリーウーマン

カラフルな服が好きだ。

それも、重ね着とかをうまくしてかわいい服でなく、シャツとパンツとかワンピースとか形はすごいシンプルで何気ないのに、その色とその人がうまく際立ってパッと映えるような服。

 映画の中にはたまに、そういう心を離さない服が出てくる。

『20センチュリーウーマン』のエル・ファニングもまさにそう!エルファニングがかわいいからもあるけど組み合わせが最高すぎる。あんな黄色いTシャツやピンクのワンピースを私も着たいぜ…

 

この映画に出てくる人はとにかく自分のことを理解できない。

セラピストの子供だからってさも他人を理解したように話すジュリーも、実のところなんにもわからず悶々としている。(そもそも心理学なんて、人間のことがわからないから始めるやつが多いんだからこうなりやすいことを身を以て知っている…)サバサバしてかっこいいお母さんも、自由な生き方をしているアビーも、そういう自分を演じているだけで、結局自分の心のうちさえ理解出来ず苦しんでいる。

 それでもこの登場人物は全員めちゃめちゃ愛おしいし、信頼できる。こういう人たちはふつうとってもめんどくさいし、かわいさよりも陰湿さが強くてちょっと観てるだけでグッタリする(※陰湿も飛び抜けると『ヤング≒アダルト』とか猛烈最高に面白いけど!)んだけど、彼らは自分のダメなとこを素直に受け止めて考えるし、弱いとこを他人にみせる。 そして絶対他人を馬鹿にしない。自分のだめなところを人のせいにしないで、ちゃんと思い悩んでる。

当初どの登場人物も不器用で人間らしくて、なんだか自分みたい…とか思いそうになるけど、全然違う。一緒にしちゃいかん。彼らは本当に気高く、素敵で、目指すべき人間だと思った。